久しぶりに電車の中吊り広告を見て興味を惹かれた一冊。書店にも山積みされていましたが、私は電子書籍を買い求めました。
私もそろそろ人生後半戦。今後の食事の回数も限られてきます。好きなモン食って、酒もガンガン飲んで、みたいな刹那的な生き方をするのも一興。しかしながら、まだ私はライティングをはじめとしてやりたいことはたくさんあるし、ラグビーだって満足のいくプレーがしたい。まだ2歳の姪っ子が花嫁衣裳を着る姿だって見てみたい。何より、毎日すっきりしない気持ちで生きていたくない。そんな思いで、買い求めたのだと思います。
この本、「これさえ食ってれば大丈夫」とか「こいつは危険だから食うな」とかいうことはあまり書いてありません。題名にもある通りあくまで「食習慣」を見直そうというのが趣旨です。
現代人は特に大きな病を持つ人は減ってきていますが、反面、メンタル面を中心に「ちょっとした不調」を抱えている人は激増しているそうです。「心身共に絶好調で、カラダもココロも悪いとこなんぞ一つもない」なんて人もたまにはいますが、そういう方は単に不調を不調として自覚していないか、根っからの楽天主義かどちらかでしょう。そのまま一生過ごせれば幸せでしょうが、こういう方は得てして突然死なんてものに見舞われたりします。
神仏には無病息災を祈りますが、処世術としては「一病息災」くらいのほうがまっとうだと思います。少しくらいは不調があった方が、かえって健康状態への関心が高くなるから、健康に過ごせる、という考え方です。私はこの「一病息災」という言葉は、長い間赤字に苦しんだ事業を最後まで捨てずに、ついには黒字化させた経営者の著作で知りましたが、なるほどな、と思ったことを覚えています。強い部門に胡坐をかくのではなく、弱い部門をなんとかしようと努力することが創意工夫につながる。
健康状態もこれと同じ。調子がいいと思い込みたくて、何かを我慢するのではなく、悪いところは悪いと素直にみとめて、その状態をいかに良くするかを考え、食事を中心とした生活習慣そのものを見直してく。という著者飯塚氏の主張はストンと腑に落ちました。
飯塚氏は鳥取県の開業医で、主にメンタルに問題のある方の治療に当たっているそうです。そもそも、飯塚氏のクリニックに来院するような患者さんはかなり症状が思い方が多いようです。したがって、最初は対症療法として様々な薬を処方し、症状を抑えることに重点を置くのですが、薬で症状を抑えている間に、各々の患者のどこの部分に問題があり、その問題を解消するにはどのように食生活を改善していったらよいかを考えて、指導するという治療方針を取られているようです。で、見出しの言葉を信用するなら8割の患者さんが二週間以内に寛解をむかえるそうですから、出版社も放ってはおけないでしょうね。
私自身も精神状態の向上と、減量の両面から食習慣改善の指導を受けたいくらいです。
最後に飯塚氏はCBDオイルについての見解を述べています。詳しい定義と、どこまでが合法でどこまでが違法かの区別が私にはつきません。とある女優さんが、合法化を求めて、選挙にまで立候補した医療用大麻ってのはこのことじゃないのかな、と、少々強引に理解しておきます。
大麻というと「麻薬」の代表格として悪者あつかいされる物質ですが、メンタルの病に関しては劇的な改善が見込めるという効果もあるそうなんです。この辺は私もまだ全く勉強が足りていないので、いいとか悪いとかいう判断はつかないのですが、もし、今の毎日必ず見舞われる憂鬱さが消えてしまうのなら、適切な指導の下で使用してみたいと単純に考えてしまいました。
「人体に与える健康的な害としてはたばこよりよほど軽いが、精神を麻痺させてしまい、特に善悪の判断を著しく鈍らせるので禁止薬物に指定されている」というお話を聞いたことがあります。中毒するほど大量に使用するつもりなんぞはないから、何とかこの憂鬱さからは逃れたい。だからちょっと使わせてよ、くらいのことはついつい思ってしまいますね。一応、合法的に購入できるものもあるようですが、相当高価なものでもあるらしいです。当然保険も利きませんしね。
なかなか鳥取県まで行くのは難しいというのが現実だし、CBDオイルってのも軽々しく手に取れるものではないってことだけはわかりましたが、一度飯塚医師の診断を受けてみたいな、という気だけはしています。
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