デジタルライフ・モノワーカー モノ選びで劇的に豊かになる仕事術
かつての私はガチガチの衝動買い派で、欲しいと思ったものはすぐに買ってしまうことが多い人間でした。ワープロ、システム手帳、macに電子手帳、iPodにiPad、今は亡きPantech社製のスマホにBlu-Rayレコーダー、CS放送契約も早かったしKindleの導入も発売後すぐでした。最近ではスマートウォッチを買いましたかね。主な大きな買い物は先に挙げた通りですが、その他日用雑貨の数々もしかり。おかげで都内某所の前居住住宅にはモノがあふれかえっている状態でした。
それでも、数年前に断捨離に関する本を読んでからは買う前に深呼吸して本当に欲しいかどうかを自分の中で再確認してから買うようにはなりました。同時に不要なものはかなりバッサリと捨てました。一番の契機となったのは一昨年末の転居。終の棲家となる新居には本当に必要なもの、使っていてワクワクするものだけを持っていこうと決めて、家具やら食器やら古い電化製品やらを数万の手数料を払って捨てました。
あくまでも、昔の自分と比較してのお話ではありますが、今は本当に必要なモノを選び抜いて買うことにしています。
そんな私が今一番興味を持ち、どうしようかと考えているのが情報関連ツール。現在はシステム手帳、スマホ、Kindlefireを使い、また外出先で執筆できるようにラップトップのPCも持ち歩いている状態です。これはどう考えてもツール持ちすぎです。もっと効率的なツールはないか、あるいは手持ちのツールの効率的な使い方ができないかと思っているところに、目に飛び込んできたのが標題の書。残念ながら本だけは衝動買いの欲望を抑えきれていません(苦笑)。
さて、著者高澤氏の考え方の主要な点は三つ。
第一番目。仕事に使うツールはなるべく性能の高いものを選ぶこと。性能が高い分お値段も張りますが、元を取ろうと仕事の質が上がる。何よりも仕事を頑張るための一つのモチベーションとなることが大切。高い機能で手間が減ればより楽に質の高いアウトプットを生み出せるという実利的な理由もあります。
二番目。気分転換を図れるツールについては、自分の「好き」を最優先すること。高澤氏は実例として自身の使うコーヒーカップを挙げています。小さいし、洗いにくいし、コーヒーがさめやすかったりもする。でも店頭で見かけた際にビビッときて購入して以来、それこそ毎日、愛でるように使っているそうです。何を気分転換の手段にするかは人それぞれですし、当然道具も変わってくるでしょうが、なにしろ一番気にいったモノを選ぶ。そうしたモノの力でまたやる気を創出していく。ちゃんと実利的な効用も説いています。
三つ目。自分の好きを追求して、発信し続けること。特に個人で何かを始めて生業にしようとしたら、その「何か」が好きでないと絶対に続きません。私がなんとか文筆業で自立しようと考えているのも、根本のところには文章を書くことが好きだということがあります。「好き」と「上手い」ということはあくまで別の話ですが(笑)。どんなニッチな分野でも世の中に同好の士は必ずいるし、なんらかのニーズはある。ただし、発信する方法や内容の吟味は必要。どんなにいい情報を発信していても、伝え方が適切でないと自分の持つ熱が伝わりません。この辺は下手にハウトゥーモノを渉猟するよりも自分自身で経験を積み重ねていくしかないと思います。
残念ながら、私が当初期待していたような便利なデジタルツールが具体的に紹介されていたわけではありませんでしたが、今あるツールを最大活用するにはどうしたらよいかを改めて考え直す契機とはなったし、便利なツールを常に探し求める努力も必要だということも感じました。「伝わる文章」を追究していかなきゃいけないんだな、ということも改めて認識しました。
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