もう一度自分が一体何を目指し、何をすべきなのかを認識しよう 『インド式「グルノート」の秘密』読後感

読書

インド式「グルノート」の秘密

私は「ノート術」ショッパーです。もう20年近くA5サイズのシステム手帳をとっかえひっかえして使っていますが、「使い切った」と言えるほど活用はしておらず、常に消化不良状態です。デカいシステム手帳なので見栄えはいいのですが、中身に書いてあることは、走り書きばかり。文字通りの宝の持ち腐れです。

せっかくのシステム手帳なのですから、何とか中身も一杯詰まったものにしようと、今までにいろんなノート術の本を読み漁りました。フォーマットされたリフィルを買い求めて使ってみたりもしました。でもどうしてもしっくりこないし中身もスカスカのまま。多少、いままでに心に残った言葉を書き残しているのが財産と言えば財産ですが、こんなのはホンの気休めにしか過ぎません。

最近目にしたネットの記事によれば、そもそも5つ以上の項目があるTODOリストというのはやる気をなくしてしまう作用があるそうです。バレットシステムは、とにかく思いついたことを全部書き出すのがお約束。備忘録としてはそれなりに役に立つのですが、行動の指針としては実際に役に立っていません。酷い日になると、書き出したことが何一つ実行できず、翌日にまったく同じリストがそっくりそのまま残ったりしているくらいですから(苦笑)。

というわけで、なんとか手帳を活用したいという思いに駆られて衝動DLしたのが標題の書。「グルノート」ってのは一体何者?という疑問が真っ先に頭の中を駆け巡り、気が付いたらDLしていたというのは実情。

「グル」という言葉は、某カルト教団(というよりはテロ組織)の最高権力者の代名詞でしたね。人を指す言葉であれば「導師」という意味になります。大きくは「導くもの」という意味です。ですから「グルノート」は「指針の書」とでも訳せるでしょうか。自分のこれからの行動を指し示すノートです。

著者氏が何故このノートに巡りあい、日常的に使用するようになったのかについては是非とも本文に当たっていただきたいです。私はこの書を読んで自分なりの「グルノート」の書き方の方針を定めたので、本稿ではその方法を紹介したいと思います。

まずは、備忘録としてのバレットシステムはこれからも使い続けます。頭の中の懸案事項をすべて書き出しておくというのはヌケモレの予防につながるからです。そしてその中から三つだけその日にやるべき事柄を抜き出します。ここまでが下準備その1。

下準備その2は標題の書の方法をそっくりいただきます。まずは1枚の紙を4分割します。皆様お好みの大きさで結構です。私はA5 サイズの紙を折って4分割しています。

①右上欄にチッタを記入します。これは現在の自分が気になっていることや、ネガティブに感じてしまう事項のことです。私の場合は下準備その1で抜き出したその日やるべき三つの事柄をチッタとします。

②右下欄にディバインを記入します。これはチッタが解消した状態を書きます。チッタが「原稿を仕上げる」であるならディバインは「原稿を仕上げて提出した」となります。

③左上欄にディクシャを記入します。ディクシャとはチッタが解消し、理想的な状態となった際の感情を書きます。先の例を引っ張れば「原稿を提出して晴れ晴れとした気分になる(ついでに後顧の憂いなく晩酌して酔っぱらう)」なんてなことになるでしょうか。これはできるだけ具体的に予想して書くのが良いようです。

④左下欄にスワダルマを記入します。デイクシャで書いた理想的な状態にするために今すぐやらねばならぬ具体的な行動です。またまた先ほどの例を引っ張れば「執筆に必要な資料をすべてそろえ、○時までに書き上げる」とでもなるでしょうか。

標題の書を読了してから1週間ほどグルノートを書いていますが、少し込み入った事情のある相続関連のお話を除けば、すべてチッタが解消できていて、ストレスを生まない状態を実現できています。今まではチッタを列記すること、およびチッタと明確に区別することなくスワダルマを列記するだけでしたが、ディバインとディクシャを具体的に記入することで、チッタ解消後の爽快感まで具体的に想像するというのはなかなかに新鮮でした。今のところは日常の活動にいい影響を与えていると言ってよいでしょう。

二度も三度も同じことを書くのは面倒だ、という方もいるかもしれませんが、今の閉塞状況にある私にとっては有効な方法であることが1週間の経験で実感できましたので、しばらく続けてみようと思います。

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