何度かこのブログにも書いていますが、私は現在奉職中の会社を休職しています。会社生活の将来が絶望的である中で、業務の量だけが増大していくという状況に心身ともに耐えられなくなり、帯状疱疹を発症したというのが第一の理由です。加えて私生活においても、母の認知症の進行とその端的な発露である特殊詐欺被害、義父の逝去などの負のビッグイベントが連続し、にっちもさっちもいかなくなった末の緊急避難でした。
とは言え、義父の葬儀やら、母の介護施設への入居に伴う実家の整理やら、諸手続きに追われて、現時点では会社の仕事をしている時よりよほど忙しいのが実情です。次のステップに進むためのライティングの仕事を本格的に始めたこともあり、定期的に締め切りに追われる日々も続いています。まさに逃げても逃げても現実が追いかけてくる状態に見舞われています。一番の苦痛である会社の仕事から離れていることで、なんとか暮らせてはいますが。
標題の書は、こんな日常からなんとか逃れたいとKindleに「休職」やら「会社の仕事が嫌い」やら「転職」やらズバリ「現実逃避」などのワードを入れて電子書籍を検索しまくっていた時に目にとまった一冊。Kindle Unlimitedの対象で感覚上は無料で読めるということで衝動DLしました。
現実に果敢に立ち向かって、困難に打ち勝つのが一番良いことは言うまでもありませんが、なかなかそうはいかないのが「普通の人」。「こうあらねばならない」、「絶対に成し遂げる」と歯を食いしばるばかりではいつか心が折れ、重大なダメージを負うことになり、最悪の場合は自死に至ったりもします。そうなる前に積極的に現実逃避を取り入れて、快適な状態をキープしていこう、というのがこの書の基本思想。そして、一口に「現実逃避」と言っても様々に分類ができるということを具体的に示していたのがこの書の目新しいところですね。
まずは現実逃避を「ちょこっと逃避」と「完全逃避」に分けています。
「ちょこっと逃避」とはいわゆる「気分転換」に属することです。美味しいものを食べたり、酒飲んだり。友人とのおしゃべりに旅行、カラオケ、スポーツ等々。現実逃避などと大げさに考えなくても、自分に合った方法で日々のストレスを解消している方も多いでしょう。この程度のことでココロが休まるならしめたもの。深酒や特に甘い物のドカ食い、ゲームなどに依存するようになっては少々困りものですが…。
ちょっと気持ちがモヤモヤするな、という時に気軽に活用できる方法をいくつか持っておくことは、ストレスを軽度なものに抑えるのには有効でしょう。
二つ目の「完全逃避」は、さらに「リセット逃避」と「ブラインド逃避」に分けられるそうです。
「リセット逃避」とは、休職や退職など、制度的に一度完全に現状から逃れてしまうことを言います。私は今休職中であり、会社の仕事からは全く離れています。医者から正式な診断書がない限り、会社支給のPCに電源をいれることすらできない、誠にありがたい状況です(笑)。今のところ、「リセット逃避」はうまく作用しており、日々憂鬱さに苛まれることはありませんし、帯状疱疹も再発していません。一応4月の末までが期限の目安ですが、現時点では会社に復活した後の私自身の姿をまったく想像できないし、上述の通り会社の仕事からは逃れられていても、家庭の事情からは逃れられておらず、完全な休養とはなっていないため、もう数か月は休職を続けようと考えています。「逃げている」という後ろめたさはないわけではありませんが、会社の仕事のせいで自分自身のエネルギーが枯渇してしまっては元も子もありません。会社にとって私は one of themですが、私にとっては私はonly oneです。仕事の人員の替えは無限にいますが、私の人生を生きられるのは私だけです。どちらが重要かは言うまでもありませんね。
「ブラインド逃避」とは法律に触れてしまうようなことでストレスを解消しようとすること。暴力行為に及んだり、違法薬物を摂取したりという方法で、あくまでも分類上はこう考えらる、というだけでとてもじゃないけど私はやりたいと思いません。当然他人様にも勧められる方法ではありませんね。
どうしても暴力行為に及びたいのなら、格闘技団体にでもチャレンジするしかないですね。ラグビーなんかもおススメですよ(笑)。もっとも破壊衝動を満たすためには、相手より強くならねばならず、そうなると、それ相応のトレーニングが必要となります。たいていの場合そのトレーニングに勤しむうちに嫌な気分は消えていくと思いますがね。
薬物はちと厄介ですね。私は経験したことはありませんが、最も近いものを挙げるとすれば、ドカ食いでしょうか。一時的な快感を得ることはできますが、長続きしませんし、どんどん強い刺激を求めていくようになり、ついには精神的にも肉体的にも破壊されてしまうに至ります。
自死もつらいですが、「ブラインド逃避」にまで手を染めてしまっては、肉体的にはともかく社会的生命には確実に甚大なダメージが残ります。こうした深刻な事態に陥る前に、軽い場合はその日のうちに解消することが望ましいし、本当にヤバそうだったら、とにかく逃げちゃうこと。逃げるタイミングをはかるには、常に周りの環境を疑り深く眺めるとともに、自分自身の精神状態をしっかり把握しておくことが肝要です。私の今回の休職はまだ深刻な精神状態になる前に決断したので、まだなんとか次の道を模索したり、私生活の厄介ごとに対処したりできています。昨年末の状態を引っ張っていたら、今頃寝床から起き上がれない状態に陥っていてもおかしくなかったと思います。
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